【用語集】配偶者居住権(はいぐうしゃきょじゅうけん)
夫婦の一方が亡くなった場合、残された配偶者が亡くなるまで又は一定の期間、無償で亡くなった配偶者が所有していた建物に居住することができる権利。
解説
配偶者が自宅を相続した場合、相続財産のうち現金が少ないと、法定相続分通りに遺産を分けた場合、配偶者は手元に現金が残らず家だけがある状態になってしまい、生活資金が不足することになります。
そこで、自宅に住み続けられる「居住権」とその不動産を所有する「所有権」とを分けて、「所有権」を子どもなどに相続させれば、その分配偶者が相続できる現金が増えることになります。
配偶者居住権の成立要件
配偶者居住権が成立するためには、次の1~3の要件をすべて満たさなければなりません。
- 残された配偶者が被相続人の法律上の配偶者であること
- 相続開始の時に、配偶者が被相続人所有(または配偶者と2人の共有)の建物に居住していたこと
- 配偶者に配偶者居住権を取得させる旨の遺産分割、遺贈、死因贈与または家庭裁判所の審判がなされたこと